お前、可愛すぎてムカつく。



「彩ちゃんが隠し事?」


「今朝3組の本田達に会った時さ、彩の態度がおかしくて。聞いてもなんもねーっていうし」


「本田って…前に蒼空がそいつの彼女と遊んだからって色々もめたヤツだよね?」


「あーそうそう。よく覚えてんね?あと小林と渡瀬」


そう言った瞬間、渉の顔つきが一瞬にして変わった。


「…どーした?」


「蒼空さ……自分がやってきたこと、もう一度思い返してみろよ…」


「へ?」


すると今度は俺の胸倉を掴んできた。


「お前が悪いんだよっ!お前のせいで彩ちゃんはっっっ」


「は!?」


こんなに感情をあらわにする渉は初めてで、驚いた。


周りの生徒たちが何事かと注目してくる。



「ちょっと…こっちきて」


渉は人気のない場所まで俺を連れてった。



「…なんだよ。ハッキリ言えよ」


渉は背を向けたまま、黙っている。


イライラすんな。


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