お前、可愛すぎてムカつく。
彼らは「付き合ってやれよ~」とか、「名前なんていうのー?」とか、甲高い声で笑いながら冷やかしてきた。
中には女の先輩もいる。
あ。
あの髪が長い女の先輩…
いつも颯太先輩の隣にいる人だ。
綺麗で細くていつも先輩の隣にいて羨ましかった。
「なんかすみませんでしたっ…」
「ううん。こちらこそありがとね」
先輩は笑顔で手を振り、友達の元へと行ってしまった。
胸がキューンとなって、ドキドキが止まらない。
先輩…やっぱりかっこいいな…。
振られたのに気持ちは晴れていた。
だって先輩と友達になれたんだもん。
一歩前進だよね!
放課後の廊下は誰もいなかったから、私は一人でニヤニヤしてしまった。