黄泉の本屋さん
色素の薄い少し長めの髪。
華奢な身体ですらっとしていて。
少しぼんやりしたとても美形な男性。
「浅葱・・・」
思わずついて出た言葉に、私が驚く。
え、今私なんて言った?
誰の名前を呼んだ?
「え?」
「あ、す、すみません。なんでもないんです」
きょとんとする彼に、私は慌てて訂正する。
説明しろと言われても、私にもわからない。
なんであんな名前を口にしたのか。
こんな人、見たこともないのに。
「あの、父を知っているんですか?」
「え?」
「あ、いえ。って、知るわけないですよね」
「え・・・?」
「あ、僕は白神浅日(しらかみあさひ)といいます」
「あさひ・・・さん」
人懐っこい笑顔で笑うその人は私に向き直ると頭を下げた。