黄泉の本屋さん
私はしばらく、その場から動けなかった。
いっそ、浅日さんを追っていこうかとふと思う。
それほど、私は本当に浅日さんを愛していた。
浅日さんは本当に良かったんだろうか。
私がした決断を怒ってはいないだろうか。
逃げ出すための問いをいくつも並べてみる。
それでも。
浅日さんが笑って送り出してくれたことを思い出す。
浅日さんを愛してる。
それでも、浅葱を愛した自分も本当なのだ。
あの約束を果たしにいかなくては。
浅葱は待っていてくれている。
そんな確信を持っていた。