黄泉の本屋さん
「ここまでだ」
「・・・浅日さん、ごめんなさい。一緒に行けなくて」
「なにを言ってるんだ。ずっと一緒に来たじゃないか」
愛しているの。
それは、紛れもなく本当の気持ち。
私は、あなたに出会ってあなたに恋をした。
「あなたと出会えて、本当に幸せだったわ」
「僕もだよ。奏音ちゃん、幸せで」
「浅日さんも」
別れは辛い。
それは、約束のためとはいえ。
愛し抜いた人だもの。
「またね」
さよならなんて言いたくない。
いつか、どこかで会えたらいい。
そんな事、無理だとわかっていても。
浅日さんは笑いながら消えてしまった。