し・か・え・し


「あ・・・麻奈美」


うん?あたしここに居ていいの?
いや・・・よくないよね。


そぉーと 一歩二歩と下がるあたし。


するとあたしの手を取った神野くん
はぁ?何?この手は何?
しかも強く握られてるってどうなの?


「久しぶり健斗」


「あ~」


「彼女?」


「そうだよ」


(そうだよって 嘘つきだね
ほんの数時間前に知り合いましたけど?
違うか 中学時代か)


「あたしにあれだけ言ってたくせに・・・
すぐに彼女できたじゃん
まぁ~いいけど」


なんの話?


察するに神野くんの元カノだろうな。


えっ?
あたし神野くんの彼女にされてるの?
ちょっと!!!


「いつまでも引きずってないよ」


(嘘だ!まだ思ってるって)


「よかった安心した
彼女さんもすごく可愛い人だし
末永く仲良くね」


この子の言い方は
あたしは嫌いだ。


しばらく話してたが
彼女さんの方から
「じゃあね」と帰っていった。


「この手は何?
それに彼女ってなんなの?
今日は健斗くんに
振り回されてるって感じ!最悪」


「悪い」


「気分悪いわ!こんな日は
飲まないとやってらんないわ!」


飲めないけど(笑)


「一緒に飲む?」


「けっこうですっ!一人で飲むから」


待てよ?チャンス到来かも?
仕返しのチャンス???


一緒にご飯と言われても
人多いとか色々理由を付けて
断っていたけど 彼女に会って
少し暗くなった神野くんの愚痴を
聞いて 優しく楽しく接すれば
あたしに対してホロリと
くるんじゃない?甘い考えかな?


ここは仕返しの一歩前進!




< 25 / 134 >

この作品をシェア

pagetop