し・か・え・し


「やっぱり健斗くんにおごってもらおー!
ねぇー!どこ行く?」


「切り替え早いんだな
さっきまでは 帰るモードになってたのに!」


「まぁね!そーでないと
生きていけないよ
それに奢ってもらえるなら
話違うよね!」


「いい性格だね」


「でしょ!」


「誰も奢るとは言ってないけどね」


「じゃあ 帰る」


「もー!おごりますっ」




神野くんがここに入ろうと言ったバーは
あたしのバイトをしていたお店
【MIRAI】の系列店なので
あたしが【さくら】だったと言うことが
バレちゃうから「ここ嫌だ!」と却下。


どこまでわがまま女なんだぁ?
と呆れてるけど ここは仕方ない。


「別におしゃれなバーじゃなくてもいいじゃん
居酒屋行こう」


「えっ?いいの?
居酒屋ってオヤジぽくない?」


「それ!さっきの彼女さんが言ってたわけ?」


そんなこと言いそうだけどね。


それには答えてはくれなかった
答えないから言われてて
居酒屋とかは飲みには
行ってなかったんだと察した。


色んなものを注文していると
「なぁ?なんでソフトドリンクなん?
飲むんじゃなかった?」
と 自分はビールを頼みながら言った。


「あたしねぇ~
酔うと凶変するよ?いいの?」


「いいや 扱いに困る!
今でさえ わがまま娘なのに」


と笑ってたが一杯くらいなら大丈夫だろと
勝手にピーチのカクテルをあたし用に
頼んでいた。


「オレたちの出会いに乾杯!」


出会いに乾杯・・・か・・・。






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