し・か・え・し
仕返しの仕返し



今日で健斗と会うのは最後にする
仕返しのつもりで近づいたけれど
今日はそれを暴露して謝ろうと思う。


すごく悪いことをした気分になってしまって
桃華の言った通りだ。


後ろめたさが残っている。


約束の時間の1時間半前に
知らない番号から電話がかかった。


無視をしていても鳴り続くので
怪しいものではないだろうと
出て見ることにした。


「もしもし」


「あ~よかった
オレオレ 彬」


あの人?


「どうしてあたしの番号を?」


「ああ・・・ごめんね健斗に聞いた
あの時のお金払ってないからと思って」


「ああ・・・」


実際7,000円と言えば
もういいや!で捨てるものでもないし
かと言って 何度も健斗に彬に言ってもらってよ!
と言えるわけもないし。


だってあたしもその中の1,000円程度は食べてるんだもの。


「預けてくれてもいいよ健斗に」


あ・・・もう今日で会わないんだった。


「やっぱ借りたものは
直接返した方がいいと思って
あれから健斗に怒られてさ
人の物に手を出すな!ってね
冗談だったのに・・・でも反省してる
冗談が過ぎたごめんね」


「あ・・・まあ・・・」


「だからちょっと時間作ってくれる?
渡すだけだけど」


「うん健斗と7時に約束してるから
その前に・・・」


「それなら今から出てこれる?」


もう準備は出来ていたし
近くまで迎えに来てくれて
今まで待たせたお礼に
健斗との待ち合わせの場所まで
連れて行ってくれると言うので
いつも健斗に送ってもらったら降りる場所に
来てもらうことになった。




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