恋愛革命-あたし×アイドル-
「プリクラ…翔と………女の子?」

叔母ちゃんの家のTVは再婚相手が使っていたTVなのだろう。
リモコンの裏に、数枚の、結構前に貼ったであろうプリクラがあった。
その1枚に映っていた翔と一人の女の子。

茶色のロングヘアー、ストレートのさらさら髪。
白い肌、モデルのようなスタイル、顔だち。

…翔と手をつなぎ、ほっぺたをくっつけて、幸せそうな笑顔をしている。

……この人は誰?



「その子、翔のおさななじみの実菜っていうんだ。…もうこの世にはいないけどね」

みな…
あたしと同じ名前。

「涼さん…―それって…」

「ちょうど2年くらい前になるかな。のどに悪性の腫瘍ができて…その時はもう余年は半年もつかもたないかだった」

「そんな。なんで腫瘍なんか…」

「歌手…だったんだ。歌いすぎで腫瘍ができたんだよ」

「…翔は実菜がいなくなってからは部屋に閉じこもりっぱなし。でも、好きな人が死んだんだから無理もないだろうってね…」

…好きな、人。

翔に愛されている、この女の子。

―幸せ者だね。

死んだっていいじゃん、翔に愛されてたんだから。
もう、それだけでいいじゃん…―。
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