ホワイトデーの奇跡【完】
あの事件から
私は父親以外の男の人とまともに接することが出来なくなった。
元々、男性に免疫もなくて、内向的な性格も災いしていたんだと思う。
事件後半年は、ごつごつした浅黒い手、びくともしない強い力を思い出すと、体が勝手に震えて。
お医者さんでさえ、近づかれると無意識に全身が震えて、涙が流れた。
あれからもう3年が経って――
さすがに、父親以外の男の人とも接することが出来るようにはなった。
ただ…スムーズとまではいかないし。
さっきみたいに不意に話しかけられると緊張で全身がキュッと硬くもなる。
一対一で喋ると、言葉もたどたどしくなってしまう。
そうなるのが嫌ということもあって、なんとなく男の人を避けてきたせいもあり、話すのが未だに慣れなかった。