希望が光に届くまで
うわぁ。次数学じゃん。私の気分最悪。

「ひっかりぃ~!次数学だね…」
「そーだねー。あぁ…だるい…」

田口じゃん。だるい。。あの熱血さは付いていけない。サボろうかな。

「希望ごめん、体調悪いからサボる」
「日花里〜またそーやって〜〜!馬鹿になるよ?」
「別に。希望ほど賢くないし」
「んなこと言って〜!」

私は希望の言ってることを無視して屋上に向かった。
ドアに手を掛けると、バチッッと、静電気が通った。はぁ。

「あぁいい空気…」

ここに来ると何もかも忘れられて、私にはお気に入りのスポットだ。っていっても学校の中で一番好きな場所。誰も来ないし。存在も忘れられる。

「何してんの?」

この声は一人しかいない。

「淮斗くん?」
「形原サボり?」
「淮斗くんこそサボり?」
「俺、ここ好きなんだ。」

「……私も。」
「形原もか〜!ここいいよな。俺大好き。だって、何もかも忘れられるし、ここに来るとスッキリするんだ。」
「……」

淮斗くんも同じ気持ちなんだ。

風がそよいで、私の髪を揺るがせた。
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