春よ恋。
そんな思いにふけっていると
真叶からの着信があった。

「はいもしもーし。」
「あ、仁奈。あのな
ちょこちょこでいいから
俺んち来てくんない?」

意味不明な真叶の言葉に
驚きを隠せなかった。


「どーゆーこと?」
「いてほしいから…」

真叶の弱々しい声にまたあの
胸の痛みが押し寄せる。

「いいよ。真叶元気だしてね」
「わりぃな…おやすみ」
「おやすみ」

そこで通話は終わった。



真叶を守りたい
笑わせてあげたい
元気にしてあげたい
幸せになって欲しい…

そんな気持ちでいっぱいだった。


神様。
いるならお願い聞いてください。
真叶を幸せにしてください。
これから先もし私に来る幸せが
あるのなら全部でも半分でもいい。
真叶におすそわけしてください…


その日私は
祈りながらスーッと眠りについた
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