君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
強く唇を重ねられて、ラグに頭が沈む。

ブラウスとキャミソールがスカートから引っぱり出されて、新庄さんの手が入ってくるのを感じた。


ウエストあたりをさまよう感触に、思わず息が漏れる。

その吐息を、唇でふさがれた。


首をそらす私に、ますます深くキスをくれる。

私はもう、息が切れかけるくらい鼓動が高まっていて、どれだけ簡単なんだよ、と自分にあきれた。


肌を感じたくて、私も新庄さんの腰に手を回す。

最初からボトムにしまわれていなかったシャツは、簡単に手を入れることができて、服の中で、滑らかに引きしまった背中を抱きしめると、新庄さんがびくりと震えた。


それに自信をもらって、身体の線をなぞるように、シャツを引きあげる。

新庄さんは、最後は自分でそれを脱いで、乱れた髪をかきあげて、柔らかく笑うと、また、キスをくれた。

頬をなでてくれる手が、泣きたくなるほど優しい。


大好き。


裸の背中にしがみつくと、キスが首筋へと移動した。

手が、服の中で、上へと移動して、ゆっくりと探るように動く。

脱がせてもらいたくて、背中を浮かせた。


その時。


ピンポン、と。

玄関のチャイムが鳴った。

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