君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
シャワーを借りられないかな、と思って、そっと身体を離したら、体に乗っていた新庄さんの腕が、ものすごい力で私を引き寄せて、痛いくらいに抱きしめられた。


「新庄さん…」


離して、と腕を突っぱると、よけい力が強まる。
これじゃ、抜け出せない。

仕方ないので、私もこのまま寝ようと、身体の力を抜いて、少し居場所を探すと、安心したように、新庄さんが息をついて、力を抜いた。

柔らかく、私を拘束する腕。
それは、縛るというよりは、愛おしんでくれているようで。

甘えられているようでもあって。

まったく目を覚ます気配のない新庄さんに遠慮のないキスをすると、私も、眠りについた。



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