麗しき星の花
「母様、きれい……」

「すげえ、父さんがちゃんとした格好してる!」

「結婚式まだやってないって言うから、和音様がはりきって衣装を縫っていらしたわねぇ」

「まあ、お父様が!」

「わあー、お父様、さすがだな~」

 自分たちの父の若い頃の話に、琴音と玲音も目を輝かせる。

「ちゃんと写真館で撮った写真もあるわよ、ほらほら」

「かわいいドレス……」

「かっけえええ!」

 目をキラキラさせる双子に執事たちは満足そうに微笑んで、次の写真を促す。

「天神に転入してすぐに体育祭があったのよね」

「体育祭、ってなんだ?」

「学校で生徒たちがスポーツ競技を競い合う行事のことよ。足の速さを競ったり、綱の引き合いをして力比べしたり……そうそう、フェイレイくんたちが参加したのは玉入れよね。ほら、これ」

 体操着に身を包んだ両親が、赤と白の玉を持って誰かに投げつけている写真が貼られていた。

「……玉、“入れ”……?」

 リィが首を傾げる。

「あははは、ちょっと勘違いしてたみたいねー」

 南原は笑った。

「あれ、この人瑠璃に似てる」

 シンが指差したのは、刀を手にフェイレイに迫る目つきの鋭い剣豪だ。

「これが翡翠先生よ。瑠璃くんとめのうちゃんのお父様。高等部の先生だからまだ会ったことないかしら?」

「うん。この人が……」

「父さんが勝てなかった人!」

 双子は頭を付き合わせ、食い入るように写真に見入った。そしてそこに、もうひとり見つける。

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