麗しき星の花
「それではシルヴィさんがお帰りになるまでに、お部屋を用意させますね」

 頷いた琴音は、すぐに家人たちにシンたちの隣の部屋を用意させる。

「ごめんな、シルヴィ。俺たちがもっと頑丈だと良かったんだけど……」

 シンがシルヴィの頭を撫でる。

「寝るまでは一緒にいてあげるからね……」

 リィもそう言って、シルヴィの頭を撫でてあげる。それを聞いていた琴音は、顔を明るくして手を叩いた。

「そうですわ、かわいらしい人形をお傍に置いてはどうでしょう。それでしたら少しは寂しさも紛れますし……あっ、そうです、リィシンさんとリィファさんの等身大お人形なんてどうでしょう?」

「兄ちゃんと姉ちゃんの人形だか? んだらばええ! おれ、ぐっすり寝れそうだ!」

「ではさっそく作りますね。今日中に出来上がるように頑張ります」

「琴音が作ってくれんのが?」

「ええ」

「わーい! わーい! ありがとー、ありがとないー」

 シルヴィは両手を上げてぴょこぴょこ飛び跳ねた。

「ありがとな、琴音」

「ありがとう……でも、学校もあるんだし、無理、しないでね……」

「大丈夫です、かわいいシルヴィさんのためですから、お任せ下さい!」

 琴音はにっこり微笑んで人形作りを請け負った。その後ろで玲音がこっそりスマホを取り出し、

「もしもし、花音ちゃん? あの、お願いがあるんだけど……」

 ……と、何やらこっそり画策していた。


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