過保護な彼にひとり占めされています。



いや、ちょっと待って。ふたりで、なんて……まるでデートみたいじゃんか。

いや、いやいやいや。違う。違うから。ただの仕事で、相葉の付き添いでしかなくて、だからその、デートなんかではなくて。



……分かってる、けどさ。

それでもなんだか、変に意識しちゃうよ。






「村本、おつかれ」



迎えた翌日、火曜日の午前11時。

今日の目的地は都内外れにある遊園地ということで、待ち合わせ場所である池袋の駅構内でひとり待っているとかけられた声。

それに振り向けば、待ち合わせ時刻より少し早く相葉が現れた。



「悪い、待った?」

「ううん、私もちょうど今さっき来たところ」



そんなまるで恋人のような会話をしながら、私と相葉は隣に並ぶ。



「そうか、ならよかった。じゃあ行くか」



紺色のパーカーの下に白いシャツ、足元はデニムといったカジュアルな格好の相葉と、白いニットにデニムのショートパンツ、黒いタイツといった服装の私。

お互いいつも通り、普段のオフィスでも変わらない私服姿だ。



けれど、それもこうして街中でふたりで歩くとなれば、どこかいつもとは違うものに見えてしまうもので……。

隣を歩くことにも、少し照れてしまう。



「で、なんだっけ。遊園地でなにを見るの?」

「巨大迷路。来年の春休みに巨大迷路のイベントをやるらしいんだけど、『個性的な内容にしたい』って言われてさ」



照れを誤魔化すようにふった話題から会話を広げながら、遊園地へと向かう電車に乗った。



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