過保護な彼にひとり占めされています。



「あっ、いえ!社内の方とはいえお客様に持たせるわけにはいかないので」

「えっ、お客様?やだ、そんな気遣わなくていいよ〜!」



あはは、と大きく口を開けて笑うその顔はとても人懐こくて、相葉は先ほど『敵を作りやすい』と言っていたけれど、好かれる人にはとことん好かれるタイプだろうと思った。



「ね、あなた名前は?」

「村本です」



コーヒーを注ぐ手を止め、「よろしくお願いします」と小さく頭を下げた私に、成宮さんは笑顔のままゆっくりと近づく。



「村本さんね!いいね〜、ちっちゃくてかわいくて!学生バイト?頑張るねぇ」

「あ……いえ、相葉と同期の社員です。2つ下ですけど」

「えっ……えぇ!?ってことは23!?わ、ごめん!まだ10代の学生さんかと思ってた!」



笑って、驚いて、申し訳なさそうな顔をしてまた笑う。コロコロと変わる表情に感じる親しみやすさに、つられて私も小さく笑った。



話しやすい人だなぁ……。

一方的に気まずさを感じていた自分が、なんだか恥ずかしい。



「ひとつ聞いてもいい?」

「え?あ、はい」



私に聞きたいこと?なんだろう?

そう首を傾げた私に、10センチ以上高い位置にあるその顔はじっと私を見る。



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