いつか晴れた日に
池永さんは、おしぼりで手を拭きながら、「予約していたんだ」とニコリと笑う。

「ありがとうございます」
予約だなんて。わたしとの食事を楽しみにしてくれていたみたいで、なんだか嬉しい。

「飲み物は?ビールでいい?」

「はい」

「じゃ、生ビール二つね」

慣れた様子で店員さんに注文すると、段ボールにマジックで書かれたメニューを広げながら
「苦手なものが無ければ、おまかせコースを頼みたいんだけど、何か食べれないものとかある?」と池永さんはわたしの顔を覗き込んだ。

「納豆がダメで。それ以外は大丈夫です」

「じゃ、おまかせで」


先ずは鯛のカルパッチョ。
サーモンとクリームチーズの生春巻き。
次はプノンペンチキン。これは、手羽餃子にスパイシーなソースを絡めて頂く。

程よい辛味が、ビールには最適かも。
お互いビールのお代わりを頼んだ。

それから、カニのから揚げの甘酢ソースかけ。
タコのすり身をカレーソースに絡めてレタスで包むもの。
台湾風焼きそば。

デザートは……
店員さんが持ってきたプレートを見るなり、目が点になってしまった。



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