いつか晴れた日に
『ごめんね。俺にはもう時間が無いから、怜奈ちゃんとは一緒にいられないんだ』

「涼……」

フッと涼の身体が宙に浮いたような気がした。
必死に捕まえようと手を伸ばすけれど、わたしは何も掴めなかった。

「涼!!」

『俺、幸せだった。怜奈ちゃん、ありがとう』

もう、わたしには涼の姿が見えなくなっていた。涼の気配を探すように、涙を堪えて涼の名前を何度も呼んだ。

「涼、待ってよ。どうして、いなくなるの?」

『神様との約束だから』

それは、どういうことなのだろう?
もしかして、涼は……

『最期に怜奈ちゃんに逢えて良かった』


気が付いたらわたしは、ベッドに一人、横になっていた。
いつの間に、眠ってしまったのだろう。

「ん、涼?」

少しぼんやりする頭を抱えながら身体を起こす。
やだな、変な夢みちゃった。
夢で良かった。と思うものの、涼の姿が見えなくて不安になる。

「涼、どこなの?」

問いかけてみても、返事は無い。

ベッドから下りて携帯を探す。時間を確認すると、夜の八時だった。

スーパーにでも買い物に行ったのかな?
起こしてくれたら一緒に行ったのに。

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