1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
えっと病室は…、昨日と同じです。
コンコンとノックをして引き戸を開けます。
「お母さ…」
「あ、ねーねだ!!」
お母さんと言いかけた言葉は途中で途切れてしまいました。
とりあえず抱きついてきた智希の肩を抱いて…。
どうしよう。お母さんはいない。
代わりにいたのは、お母さんのご両親。つまり、おじいちゃんとおばあちゃんです。
智希と望亜と咲ちゃんもベッドですやすや眠っています。
とりあえず場違いなのはわかる。出直そうかな…。
「っふん、あいさつも出来ないのかい」
「あ…ごめんなさい。お久しぶりです」
「お前、本当の親のところに帰ったんじゃなかったのか。この薄情者が、誰が育ててやったと思ってるんだ」
雰囲気が一変しました。
そりゃそうですよね。よそ者の私のせいでこんなことになってしまったんですから…。
何と言い返したらいいのか分からずに黙り込んでしまいました。