1番目の小夜子
それから何年がたったでしょう。

つまらないと言いながらも学園生活というものはあっというまに過ぎ去って行きます。
気付けば私は高校生になっていました。

どんなに身体が成長して、勉強ができるようになっても、考えることは何も変わっていない。
私は非日常的な生活へのあこがれを持ち続けていたのです。

まだ小夜子というゲームは忘れていませんでしたが、
小夜子への異常な執着心は薄れ、もう『小夜子をやろう!』なんて思わなくなっていました。

『こんなドラマもあったよね』
『私、あれ大好きだった』
『小学生のとき小夜子になりきってたなぁ』

もはや友人との笑い話に過ぎなかったのです。


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