1番目の小夜子

過去からの贈り物

ちょっとアンティークな雰囲気が漂う金色の鍵。
ところどころ錆びていて古いかんじがする。

美希は改めて鍵をにぎりしめた。

そう、これは小夜子の鍵。
小夜子の証。

美希は自分がこれを持っていることが未だに信じられなかった。
不安と興奮が交錯して不思議な気持ちだった。

美希はかばんの中から封筒を取り出した。

『篠原 美希 様』ときれいに印刷された白い封筒。

美希は封筒と鍵を交互に見つめた。

本当に小夜子が始まるのだろうか。
< 9 / 13 >

この作品をシェア

pagetop