【完】ある日、恋人を購入した。
君とキスを一つ



******



「…うーん、それは災難だね」



そして、その翌日。

あたしは久しぶりに、“S.Shop”に来ていた。

シュウさんに、話を聞いてもらうために。


あたしが今度の飲み会のことを話すと、シュウさんはそう言って苦笑いを浮かべる。



「まさか元カレが転職して来るとは…凄い話だな」

「ってか、飲み会で二人が顔を合わすなんて…神崎くん、大人しくしてくれればいいですけど」

「…」



あたしはそう言うと、「はぁ…」とため息交じりに頭を抱える。


だって、あの神崎くんだよ。

昔から俺様系で、自我が強いし、それに会社で再会した時も皆にあたしとのことを「元恋人同士」とか言っちゃうんだよ。


…正直、飲み会じゃ終始黙っていてくれる想像が全然つかない。


しかしあたしがそうやっていると、シュウさんが言う。



「…へーきだよ友香ちゃん」
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