【完】ある日、恋人を購入した。

「…?」


「言っただろ、尚叶と友香ちゃんは何があっても別れるようなことは絶対ないって。

その飲み会で神崎くんとやらが何かとんでもないことを言って、尚叶と友香ちゃんが喧嘩になっても何の心配もない。

それは二人のステータスにも繋がるし、逆に神崎くんに自分たちの仲を見せつけられる絶好のチャンスだよ」



だから、そんな心配する必要はない。


シュウさんはそう言うと、優しい笑顔を浮かべてあたしの頭をくしゃ、と撫でる。



「…、」



…さりげなくカッコイイことするよな。


あたしはシュウさんの言葉を聞くと、少し納得しつつ乱された髪を直す。

そうだな。見せつけるとか、そういう考え方もあるんだな。思いつかなかった。


あたしはそう思うと、



「まぁ…そうですよね」



と呟いた。

< 160 / 359 >

この作品をシェア

pagetop