Ri.Night Ⅲ
「オイ、十夜何言ってんだよ……」
彼方にも聞こえていたらしく、十夜に向けていた視線を奴等の方へと向けた。
彼方だけじゃない。
陽も壱も顔を顰めて奴等を見ていた。
俺もバイクで来た三人組をジッと目を凝らして見つめる。
その中に、一人だけ凛音に近いと思う奴が居た。
けど──
「……アレが凛音か?」
此処からじゃどう見ても男にしか見えない。
髪の毛は短いし服装だって男物。
強いて言うなら背格好が似てるぐらいで……。
アレが本当に凛音だというのか?
面影すら感じさせないその姿は正直凛音だとは思えなくて。
俺はアイツだという確証を得る為、アイツの姿をジッと見つめた。
けど、此処からじゃやっぱりハッキリ見えない。
せめて近くで見れたら……そう思った時だった。
「アイツ……」
ぼそりと呟いた十夜に振り向けば、十夜は険しい表情で広場を見ていて。
広場へと視線を戻すと、集団とバイクの二人がぶつかろうとしている所だった。
……オイオイ。もう始まんのかよ。
直前まで迫ってきている集団に自ら突っ込んで行く二人の男。
男達は素早い動きで次々と相手を薙ぎ倒していく。