好きですよ、先輩。(仮)
遡ること、30分前ーーー
「おはようございます」
あたしは都内にあるそこそこ名の知れた企業で受付嬢として今日も働いていた。
「咲ちゃんは今日も相変わらず仕事熱心だねー」
隣でそう言うのは同じ受付嬢仲間の近藤結衣<コンドウユイ>先輩。
年はあたしの一つ上だけど同期な事もあってすごく仲良くしてもらっている優しい先輩。
小さな顔に整ったパーツ、茶色いセミロングの髪をちょこんと結んでいるのがまた彼女の可愛さを引き立てている。
「そんなことないですよ、仕事って言っても受付と挨拶してるくらいですし。」
「そうはいってるけど咲ちゃん、社内じゃ結構有名だよ-?
受付にすっごく可愛い子がいる、って。」
ニヤニヤしながらそういう結衣先輩だけどこの人はその”可愛い子”に自分が含まれていることを分かってない。
「結衣先輩って、時々すっごい天然発言しますよね。」
「ちょっとっ、何で今の流れであたしが天然みたいなことになるのよ!」