俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
これじゃ、認めてるよーなもんだ。




「ホントに、ないから!寿くんが、そんなことするように見える!?」




何度かジャブされたけどね、そこは言わなくてもいいこと。




「そーだよねー。相手の気持ちを無視して、そんなことしなさそう。美夜ちゃん、全力で拒否しそうだし」




「当たり!」




アイツの名誉のために、とりあえずそういうことにしておいてやろう。




白王子が白悪魔なんて知ったら、きっと驚く。









―-ゴン。




「痛っ!」




慌てて後頭部を押さえる。




「あ、わり」




矢野が、あたしにカバンをぶつけたみたいだった。




「ちょっとー、気をつけなよ」




「謝ったろ」




「そーいう問題じゃないし」




「だったら、どーしろっつんだよ」




寿くんとのモヤモヤを、矢野で発散してるって自分でもわかってる。




だけどどうにも、ムカつくから仕方がない。



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