俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「こと…」




声を出そうとして、躊躇した。




「アハハハ、そんなわけないじゃん。俺には、宮ちゃんだけ。今すぐ行く、どこにいる?」




違う…




あたしに話しかけてるんじゃない。




きっと、宮崎さんと…電話してるんだ。




遠ざかる足音と笑い声が耳に残る。




顔を膝に埋め、声を押し殺して泣いた。




胸を引きちぎられそうなほどの、強烈な痛み。




恋に気づいたときには、すでに恋は終わっていた。




なんて、皮肉な…。

















あたしの、




生まれて初めての恋は、




失恋に終わった。





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