【大幅加筆中】クール男子の取扱説明書




心の中で、「今井くん、エールください……!」と念を送る。無理だろうけど、思わず全力でオーラを放つ。


すると、今井くんはチラリとも私を見ずに小さく一言。



「頑張れ」



顔は見てないのに、確かに私に向けられたその声……胸がドクンと跳ねる。

思わずニヤけそうになる。

周りの中村と佐倉くんが今井くんを見て目を見開いている。



「なに」



そんな二人を見て、今井くんは眉間に皺を寄せる。



「今井くんからエールを貰ったので、石原由良、頑張ります!!!」


「いいから、早く行け」



今井くんにシッシッとされた手を見て、私は少しだけ胸がキュンとする。

背を向けてスタート地点へ向かう途中、心臓がドキドキ、手のひらがじんわり熱くなる。



「や、ややややややばいっ……!!」



今井くんからのエールは、本当にやばい! 私を見ずに言ったのに、この破壊力……。

なんだこの感情は、胸がぎゅーっと締め付けられる感じ……。



「頑張るぞーー!!!」



思わず大きな声で叫び、心の奥から湧き上がる力を全身に感じながら、スタートの瞬間を待った。



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