【大幅加筆中】クール男子の取扱説明書
「いっ…………たっ……」
足の痛みと同時に、涙が出そうになる。
違う、これは痛みのせいじゃない。
今井くんを見つけられない悔しさで胸が締め付けられるから。
「なにしてんの」
上から聞こえた声に、心臓が跳ねる。
間違いない。
「今井くん……」
地面に伏したまま顔を上げると、あのクールな瞳が私を見下ろしていた。
「なに」
「えへへ……」
「笑わないで、気持ち悪い」
毒舌だけど、声は優しい。胸が熱くなり、顔が熱を帯びる。
今井くんが腰を下ろし、手を差し出してきた――
「え」
「え。じゃないでしょ。俺のこと探してたんでしょ?」
「ななななんでそれを!」
「紙」
その手には、借り物競争のお題を書いた紙。
「ほら、行くよ」
私は迷わずその手を握り、ゴールへ走る。
「い、今井くんの手がっ!!」
手の温もりが、心臓を直撃する。
「今井くん、私嬉しくて泣きそう!」
「勝手に泣いてろ」
冷たい言葉だけど、心の中はじんわり温かい。
そのまま私たちは1位でゴール。