天使が私に落ちてくる
あたし達が来たことで、おやつが減ることが嫌なんじゃ………


誰が何と言おうとも、これはあたしのなんだから!


そ、それにこれは天使ママが出してくれたもので、天使からもらったものじゃないもん。


半分に減ったアイスクリームと、フルーツを隠すように腕に抱える。


すると天使は、にっこり笑った。


「アイスクリームなら、昨日ママがたくさん作ったから、まだいっぱいあるんだ。えんりょしないで食べて」


……………天使は、アイスクリームを独り占めしたいなんて思わないんだ!


あたしだったら、こんなに美味しい手作りアイスがあるなら、用もないのに冷蔵庫のまわりをウロウロして、スプーンで味見してる。


お腹が痛くなるまで食べて、ママに怒られてる。


…………天使は違う。
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