PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
部屋には、文徳先輩のほかに三人いた。
男の人が二人、女の人が一人。そこへ、煥先輩がドアを閉めて戻ってくる。
こんなことするの、まずいかもしれない。
でも。だけど。
わたしは意を決して、迷いを捨てた。
「文徳先輩、傷口を見せてください」
「あ……ああ、けっこうパックリいってるよ」
文徳先輩はタオルをほどいた。
左手の薬指の腹に、真っ赤な直線が走っている。
直線から、見る間に血があふれ出した。
「わ……」
思わず、ひるんでしまう。背筋がザワザワした。
「ギターの弦の太いのが切れちゃって。演奏中だったから慌てたら、ザクッとやってしまった」
文徳先輩は苦笑いした。
その傷のある手に、わたしは、そっと手を伸ばした。
「し、失礼します」
声が震えてしまった。手も震えている。