PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


曲の合間の休憩のときだった。


いつの間にか、足音のない気配がわたしのそばに立っていた。



「海牙さん!」


「こんばんは」



海牙さんは、詰襟の内側からペンダントをのぞかせた。


黒く輝くペンダントトップ。玄獣珠だ。



「長江先輩は?」


「向こうのほうでガールハント中です」


「え」


「そんなに引かなくてもいいでしょう?」


「引きます」


「彼は普通にモテますよ」



長江先輩の容姿がカッコいいのは認めるけれど、あのノリの軽さはどうなんだろう?


カッコいいといえば、海牙さんもだ。


細身の長身で、動きが洗練されていて、モデルみたい。


大都高校の制服は地味なのに、海牙さんが着るとシックな感じに見える。


< 515 / 555 >

この作品をシェア

pagetop