オネェと私の恋
2.事件という名の
事件というかそれが起こったのは、秋の訪れが感じられるようになった夕方。
朝晩の冷え込みも大きくなり、街の人々は半袖から長袖に変わった。
季節を先取りしている女性は、ブーツやファーを使った洋服などでもう既に冬にスタンバイしている。
今日は、平日。
ちょうど、玲雄ちゃんの講義が突然、休講になって、私の講義の終了時間と一緒になった。
そう、玲雄ちゃんと私の大学は一緒。
偶然にもキャンパスも一緒。
そこまできたら、学部も一緒なのかといえば、違う。
玲雄ちゃんは、経済学部。頭がいいのだ。
反対に頭が残念な私は、なんとか文学部に入れたようなもの。
だから、昔からの習慣でお互いの時間があった時は、一緒に帰ることになっている。
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