Heaven~第一章~
それでも学は相手が誰かを聞いてくる。
私は絶対に言わない。
いくら話しても平行線。

学は諦めたのかマンションに戻るまで何も話さなかった。
その代わり不機嫌さは増していた。

車が駐車場に入り車が止まった。

「ありがとう」

車から降りようとすると「ちょっと待て」と学がすぐ車から降りて助手席のドアを開けた。

「何?何?」

動揺している間に学の左腕が私の両膝の裏に差し込まれ、右腕は背中に回された。

「動くなよ」

そう言うとまた私を抱き上げた。
そのままエレベーターに乗り、乱暴に玄関のドアを開け靴を脱いで浴槽へ直行した。

「ちょっと、学!」

「うるせー」

学が初めて私に声を荒げた。
イラつきをそのまま私にぶつけるように、私の着ている服を無理矢理剥ぎ取って行く。

「学!やめてよ!ちょっとってば!」

抵抗してみても、背中が痛くて思うように体が動かない。
動いたとしても男の学が本気を出せば、女の私なんかが敵うはずはなかったけど。


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