Heaven~第一章~
「椿……」

そんな優しい声で呼ばないでよ……
学は何時だって私を助けてくれるのに、私は学に何もしてあげれない。

はぁ……とため息を付き私のお腹に学のまだ冷たい髪が触れた。

「な、椿……何で泣く。お前が泣くとどうして良いか分かんねーんだよ。頼むから笑っててくれよ」

「……ごめん」

「ごめんじゃ分からねーよ。椿、」

学の声が胸を締め付ける。
自分の感情なのに上手くコントロール出来なかった。
泣きたくないのに、
学を困らせたくないのに、

涙は止まるどころかドンドン溢れてくる。

学が私をソファーに座らせ視線を合わせようとする。

「椿、」

学と合った視線にまた涙が溢れる。

学は諦めたように薄く笑い私を優しく抱きしめた。


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