Heaven~第一章~
そして一ヶ月後。
学はつなぎを着て知り合いの自動車整備で働き出した。
毎朝7時に家を出て夜の8時に帰ってくる。

私は近くのカラオケ屋でバイトを始めた。
朝10時から夕方5時まで。

学校は今はまだ行く気にはなれなかった。
だけど、学は何も言わなかった。

そんな規則正しい生活を送っていれば一ヶ月なんてあっという間だった。

「明日だっけ?」

「あ?」

「引退式だよ」

そう言って学の隣に座りテーブルの上に缶ビールを置いた。

「そうだな。早いな」

その缶ビールを手に取り学が答えた。

「私も見に行こうかな……」

半分冗談で半分本気。
今まで堕天使としての学を見たことがなかった。

だけどこれから先、辞めてしまえばその姿は2度と見れない。
あんなに楽しそうに話していた学の大切な場所。
そんな場所を私も見てみたかった。

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