フェアリーサイン





「つまり、楽しい。嬉しい。って気持ちでいれば、陽のオーラは増えるし、逆に悲しい。辛いって気持ちでいれば陽のオーラは減る」


「ましてや、自分の心を押し殺していたら、陽のオーラは消える」



そう暫く間を置いて、ヤツは言い放つ。





「莉音の陽のオーラは、今にも消えそうなロウソクに近い。このまま心を押し殺していたら、本当に幸せをなくすよ」


そう言いたい事だけ言ってヤツはフッと消えた。





「……………」



あたしはただ立ち尽くしていた。



心を押し殺して……。我慢してきたのに……。





それなのに……。






涙が今にも零れそうになった。





もぅ、廊下にはほとんど人の気配はなく教室からの笑い声が静かな廊下に響き渡っていた。
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