フェアリーサイン
かと、思うと……。





「マジで~?」





「いいね~」






「楽しそう~!! えっ、いつから?」





「しばらくは、いーよ。様子を見よ?」




間を置いて、すごくうるさい笑い声が聞こえた。異様なくらい盛り上がっている。





「あの女、やっぱやな奴だな? ていうかちょうど、良かったな~これで、容赦なく歯向かえるじゃん!」




さっきあたしが、手を緩めた時に抜け出したあのバカ。あたしの周りをヒラヒラ飛び回りながら、親指を立ててニカッと笑う。




目の前が、クラッとした。






冗談じゃないよ……。あたしは、平穏に生きたいだけなのに……。





姫梨ちゃん達に、歯向かうなんてやっぱりムリだよ……。






だって、みんな姫梨ちゃんに気に入られたいから言う事聞いちゃうよ……。





姫梨ちゃんに、歯向かう=クラス全員を敵に回すって事だよ?






あたしには、ムリ……。だから、ああやって自分を偽ってバカな子を演じてきたんだよ……?






なのに……。








ガラッッッッ!!







一人俯いていると、後ろの突然ドアが開いた。





そこには、今あたしが最も会いたくない人物が立っていた。

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