恋する歌舞伎
そこへ播磨が屋敷へ帰ってくるので、お菊はおずおずと大事な皿を割ってしまったことを打ち明ける。

しかし播磨は全く怒りもせず、二人きりになったところで
「お菊だから許したんだよ」
と優しい言葉をかける。

更にはお菊との将来を考えていて、お菊の母も屋敷で引き取った上で、結婚をしたいと告白する。

播磨の愛情溢れる言葉を聞き、自分に対する愛情が真実であると確信し喜ぶお菊。

しかしここへ十太夫がやってきて
「お菊が皿を柱に打ちつけ、わざと割っているのを、他の腰元が見ていたそうだ」
と告げ口する。

これを聞いた播磨は驚き、お菊に真実かと問いただす。

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