恋する歌舞伎
何者かと問われた与三郎は、お富と深い仲であることを主張しようとするが、お富が機転を利かせ自分の兄だと言って紹介する。

すべてを察した多左衛門は、与三郎に対し、まずは堅気になれと金を渡し、商売でも始めてから再び来るようにいう。

実はこの多左衛門、実はお富の実の兄であり、助けたときからその事実に気づき、こうして妾宅に住まわせ妹のことを守っていたのだった。

そのことを知った2人は、今度こそ誰に邪魔されることなく、2人で幸せに暮らすことができる。

「生涯お前を離しはしない」と固く誓う与三郎なのだった。


と、歌舞伎ではここで幕となることが多いが、実はこの後またもや引き裂かれる2人。

しかし、命の危機にさらされようとも、傷だらけになろうとも、磁石のように引きつけあってしまう2人。

3度目となる奇跡の再会を果たし、お富と与三郎の大人の恋愛はついに成就されるのであった。




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