恋する歌舞伎
大阪の飛脚問屋(※)の養子である忠兵衛(ちゅうべえ)は、遊女・梅川(うめがわ)と深い仲になり、身請けをして一緒になろうとしている。

ところが手附金の五十両は払われたものの、残りのお金を払う期限も昨日で切れ、手紙の返事もよこさない忠兵衛を梅川は心配し、元気をなくしている。

ちょうどそこへ、お金を用意することができず廓(遊郭)に来るのもはばかられていた忠兵衛が、梅川の様子が気になるあまりつい店先までやってきていた。

それに気付いた店の女将さんが手引きをし、久々の逢瀬がかなう2人。

その嬉しさから、つい調子に乗った忠兵衛は「大きいお金が入りそうだから、改めて迎えにいく」と、アテもないのに思い切った約束をしてしまうのだった・・・。

※今でいう郵便屋。現金などの輸送を行った。

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