恋する歌舞伎
出家の身でありながら遊女・十六夜(いざよい)と愛し合っていた鎌倉極楽寺の所化・清心(せいしん)は、女犯の罪(※)に問われ、さらには三千両の大金を盗んだという身に覚えのない疑いまでかけられ、寺を追放されてしまう。

恋人の十六夜は後を追いかけてくるが、清心は彼女の未来のためを思い、帰るよう諭す。

しかし十六夜もまた、勤めの身の上ながら、清心の子を身ごもったことが発覚し、ここにはいられないと廓を抜け出してきたのだった。

もはや、心中しかないと決意した2人は、稲瀬川へ身を投げる。

※仏教の出家者が戒律を破り女性と関係を持つ事
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