恋する歌舞伎
超スピード婚から5年が経ち、息子も生まれ緑丸(みどりまる)と名付け平和に暮らしていた平太郎一家。

そんなある日、役人が立ち寄り「都の白河法皇の頭痛をなおすために柳の木を切りにきた」と話す。

仔細を聞くと、「頭痛の原因は法皇の前世のドクロが柳の梢に留まっていることに起因する」という。

またそのドクロを納める御堂をつくるには棟木が必要なため、この木を切るのだと。

なぜ法皇の前世に柳が関係するのかというと、何を隠そうこの法皇こそ、梛と柳を切り離した蓮華王坊の生まれ変わりだったからだ。

柳が切り倒されてしまえば、自分も死んでしまう。もう家族といる時間は残されていないと悟るお柳なのだった。
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