恋する歌舞伎
ここは大納言岩倉兼冬の館。

兼冬の息女・沢瀉姫(おもだかひめ)は、許嫁である源頼光が敵討ちの騒動に巻き込まれ、その後連絡が途絶えており沈んでいる。

そんな姫の元気を少しでも取り戻そうと、姫の世話をする局は煙草屋源七(げんしち)を呼び、三味線と歌を歌わせ気晴らしをさせようとしている。

そこを通りかかったのが本作の主人公・八重桐(やえぎり)。

八重桐は元々人気の遊女だったが、失踪した恋人を探しているうち、気づけば路上で芸をしてお金をもらうという生活に。

そんな八重桐が偶然塀の外を通りかかったとき、聞こえてきた曲が行方不明になっている夫と自分しか知らないものだと気づく!

こんな状態の自分を置いて夫はのん気に立派な館で歌を歌っているのか!?

本当なら乗り込んで文句の一つでも言いたいことだが、こんな高貴な場所にはそうそう足を踏み入れることはできない。

そこである方法を思いつく。
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