恋する歌舞伎
時行はそんな八重桐に対し、父親の敵討ちのために家を出たことは本当だが、いろいろとうまくいかないことばかりで、頑張ってはいるんだと説明する。

しかしその肝心の敵討ちについて、八重桐からびっくり発言。

実は夫の仇である物部平太を、時行の妹が既に討ったというのだ。

またこの敵討ちで時行の主人で沢瀉姫の許嫁でもある頼光がピンチであることも訴える。

すると我が身の不甲斐無さを恥じた時行は、なんとその場で切腹してしまう!

そして死に際に

「俺の魂は君の胎内に入って、人間離れしたパワーを与える。そしていずれ宿る子どもを強くたくましく育ててほしい」

と、不思議な言葉を残して息絶える。

予言の通り、時行の魂は八重桐の体に宿る。

これこそ、愛する人と一心同体になったとでもいうのだろうか。

八重桐は、男性と女性の両方の人格と力、それに不思議な神通力が備わるのだった。

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