恋する歌舞伎
と、そこへ万兵衞と名乗る怪しげな男がやってくる。

この男の訴えによると
「妹をこの館の主人の息子に殺された。死んだ妹を返せ!」
というのである。

それを思いがけなく聞いた弾正は、万兵衞は自分の主人の領地で生きていることを知っている上に、本物の万兵衞から
「大事な妹を殺されたので犯人を探してほしい」
と相談されていたのだった。

弾正はすぐさま、嘘をついているニセの万兵衛を始末し、男の懐から短冊を見つける。

この品物こそ、小野家が以前何者かに盗まれていた「ことわりや」の大事な短冊なのであった。

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