恋する歌舞伎
この後も意休の子分がやってきたりと様々な人が行き交い、やがて激しい喧嘩が始まり、助六を残し皆逃げてしまう。

そこへ、見ず知らずの白酒売りがやってくる。

この男は助六の兄・十郎(じゅうろう)が変装した姿。

遊郭に入り浸りと聞く弟を忠告しにやってきたのだ。

助六は十郎に、敵討ちの心は常にあり、わざと争いを起こしていることを説明すると「それなら俺も加勢する」と喧嘩の手ほどきを弟から習おうとするのだった。

そこへ揚巻と共に母の満江(まんこう)もやってきて、事情はわかったがあまり喧嘩で怪我をしないようにと、暴れると破れてしまう、紙でできた“紙衣”という着物を渡し帰っていく。

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