人形劇[七つの魔石と能力少女]
プロローグ
真夜中。
今日は、月が綺麗だ。
小さな窓から差し込んだ、仄かな月光を見て、彼女は思考する。
ギシリ、と手を動かしてみる。
彼女の手首に繋がれた頑丈な鎖は、到底、彼女の力では外れそうにない。
この時、彼女は、希望を知らない。
笑顔を、自由を、温もりを、世界を、知る術はなかった。

そしてこの夜、彼女は運命の選択から、『人形』から『人』へとーー

世界の全てを知ることになる。


この時、彼女は、少し先の未来など知るよしもない。


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